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モミヂ

赤や黄色に紅葉した、いつくかに裂けた形の葉の呼び名は、カエデが正しいのか、それともモミヂのほうが正しいか。そんな疑問をもったことはありませんか。
カエデについては、万葉集で「かえるで」という名がみられ、形が蛙の手に似ていることに由来するみたいです。たしかに三つに裂けているものは水掻きこそついていませんが、蛙手のようですね。そして、裂け方(裂片)が五つのものもありまして、植物学的な分類では三つのほうを、中国フウと呼び、五つのほうをアメリカフウと呼ぶそうです。フウとは、木扁に風と書く、「楓」のことで、カエデという言葉にたいし、この中国の漢字を借りてきて当てたのが、今日、この漢字をカエデと読むようになった始まりのようです。ある人はつぎのようにいっています。
「古代律令貴族知識人たちは万事に中国詩文の論拠がないかぎりは安心できなかったために、日本の「カエデ」と中国の「楓」とを同一視しようとし、おかげで、後代の人々までを混乱に引き入れることとなった。」
(斉藤正二『カエデと日本人』)http://homepage2.nifty.com/chigyoraku/report1.htmlから孫引き

紅葉

なお、学名はカエデ属を表すラテン語のAcerです。ほぼアケルと発音し、裂けるという意味があるとのことです。英米語になるとmapleですから、この響きならメープルシロップなどの名でおなじみなことでしょう。ところが、メープルシロップがとれる木は、カナダのケベック州やアメリカのニューイングランド地方、日本では埼玉県秩父市などに産する、サトウカエデという種類のカエデだけです。日本の代表的なカエデとなると、福島以南に分布するイロハモミヂですが、これはモミヂという名前がついています。カエデ属全体だと40種類近くもあります。その中にはカエデもあれば、モミヂと名のつくものもあります。また、アメリカハナノキとか、チドリノキなどカエデともモミぢとも関係のない名も混じります。
つまり、さまざまな名前が種類ごとにつけられているということなんですが、これらはおそらく人間があとから学問的に分類するためにつけたものと思われます。
それにたいして、言霊学のほうから調べてみると、モミヂは、揉むという言葉と出すという言葉が連なった、モミダシという言葉を本語、つまりオリジナルの語としているというのです。モミ+「ダシの約まったヂ」で、モミヂとなります。その意は、陽の気(ヒノキ)が陰中(ミツノナカ)に入り、ちょうど夕陽に空が赤く染まるのと同様に、葉も色づくということです。

紅葉2

揉み出すというのは、おそらく染料を麻や綿などの生地に染め付けるときに行う作業を念頭においているのでしょう。私はやったことがないのですが。ここでちょっと「モ」の言霊についてお話します。「モ」は火中の水の霊で、火に水が「舫(もや)う」という意があり、つまり水と火が合体する、そこにできるのが円形です。「モ」には亦(マタ)の意があり、それは股が左(火垂)と右(水気)の足をつないで半円形をなす股から来ています。揉むことで陰陽が溶け合うのを促進する。肩や足を揉むと気持ちがよいわけです。餅つきといいますが、これも考えてみれば、臼の中の餅を杵を使って、よりおいしくなるように揉んでいるということになるのかもしれませんね。
さて、しだいに空が赤く染まってゆく時間、夜明けであろうと、夕暮れであろうと、それは夜と昼、水と火、陰と陽との出会いの感動的な瞬間です。空が染まってゆくのも、葉が赤や黄色に色づいてゆくのも、宇宙の自然なバランスを保った運行とリズムがひとつに合っているんだなと思うと、これまでよりもいっそう紅葉を見るのが楽しくなってくるのではないでしょうか。
今回は季節にちなんでモミヂという言霊を取り上げてみました。それぞれの木の種類の違いはさておき、私たちが日常的にあの美しい紅葉を言葉で表現するのに使う上で、感性にしっくりと来る名づけになっていると思うのですが、いかがでしょう。
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