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『 Cold fusion 太陽がくれた知恵-常温核融合の言霊的解明-』サヨナラ原発 第2回

Cold fusion の現在までの歩み  

前回は常温核融合という世界でも希少な研究者たちによって取り組まれてきたエネルギー開発の分野にとって、約3年前の5月、日本における公開実験(大阪大学の荒田研究室)の成功により、明るい希望の光が射し込み、世界中の研究者を勇気づけたというところまで書きました。

 それは長い道のりでした。途中でやめてゆく研究者たちもいました。この分野の研究がこれまで陽の目を見てこなかったのには、それ相応の理由がありました。再現性が悪いという点は、たしかに科学にとっては致命的な欠陥ではあります。一度成功した実験が、それ以降、何回でも同じように予想どおりの良い結果をもたらすことができてはじめて仮説が実証され、法則性が確認され、理論が完成を見るわけですから。しかし、それは時間とともに克服されればよいことです。何でも最初は失敗します。失敗を重ねながら、じょじょに新しい発見を積み重ね、修正を加え、やがて試行錯誤のもたらす成果を少しずつ手にし始めるものです。

 1989年の3月16日にユタ大学(米国ユタ州ソルトレイクシティ市)のチェイス・ピーターソン学長は、常温核融合研究の対外発表を決断します。それに先立つ6カ月前にスタンリー・ポンズ、マーチン・フライシュマン両教授が、エネルギー省に研究費申請書を提出しますが、このとき、ブリガムヤング大学の物理学者でスティーブン・ジョーンズ教授が、自分も常温核融合を発見したと声をあげます。ユタ大学側の主張によれば、ジョーンズ教授は、先にポンズ、フライシュマン両教授により出された申請書における着想を盗んで実験を行い、結果を再現してしまったというのです。彼は自分にもこの研究をする権利があるし、すぐにでも論文が書けると豪語します。そこで、ポンズもフライシュマンも常温核融合を証明できる実験データはもっていなかったにもかかわらず、ジョーンズという敵が行く手に立ちはだかったため、急いで世間に公表しなくては、手柄をとられてしまうと考えたようです。ユタ大学は6年前に世界発の人工心臓移植をやってのけた大学でもあります。常温核融合の実験が成功することがどんなに大きなことかを、1週間後の記者会見でのピーターソン学長の話からわかると思います。『常温核融合スキャンダル』、そして「迷走科学の顛末」という副題の付いた、甚だ不名誉なタイトルの本から、少し長いですが、以下に引用します。

「合衆国はここ数十年で、核融合の研究に八十ドル(八千億円)をつぎこんだ。核融合こそ人類を救うエネルギー源になる。そもそも太陽や星が光るのも核融合のおかげで、これを意のままに操れば無限のエネルギーが産み出せる。第二次大戦直後から物理学者たちは、超高温と超高圧を作って核融合反応を開始させ、制御し持続させようと、血みどろの努力を続けてきた。今までの理論だと、核融合を持続させるには何千万度もの高温を作り、神技にも似た先端技術を駆使しなければならない。早い遅いの差はあれ先進国ならどこも核融合の実現に血道をあげてきたが、いっこうにはかどっていない。実用になる核融合炉(リアクター)ができるのはまだ数十年も先だといわれている。
 『さて皆さん』、ピーターソン学長は続ける、『こうした物理学者諸君は失業するかもしれません』。そのあとは、配付の会見資料に自信たっぷりの調子で書いてある。『ユタ大化学科の研究者二人が、室温で核融合反応を持続させることに成功した。この画期的成功(ブークスルー)により、汚染もなくほぼ無限のエネルギーを産む核融合がやがて世界を動かすようになるだろう』。記者会見の趣旨はこれに尽きる。」(「常温核融合スキャンダル」ガリー・トーブス著 渡辺正訳 朝日新聞社 1993年刊)

 この記者会見でフライシュマンが「化学の学生実験で使うガラス器具に毛を生やしたくらいの」核融合炉を手にしながら、実験内容を説明します。彼らがやったのは、重水素の原子を金属の内部にぎっしりつめこむ実験で、パラジウムと白金の電極を一本ずつ重水に浸し、電源につなぐというだけのものでした。見通しの立たない実験ゆえに、研究費用はほんの少しで間に合わせ、皿洗い容器の中に据えた常温核融合炉の写真を見せながら、研究費がなかったため、「やむなく掃除婦の使う流しで実験した」と補足を加えました。といっても、時前で十万ドル(一千万円)の研究費を使ったとのことです。それでも、物理学者が核融合研究で使ってきた国費に比べ、ゼロに等しいといいます。

 こういう事情でしたから、室温で核融合を持続させることに成功したと、初めて世間に公表し、科学界やマスコミの話題としては騒然となったとはいえ、そのいきさつからしても、中身については、あまり期待できるものではなかったことが、後になってみれば理解できます。前掲の本は、1989年3月から1992年9月まで、足かけ三年半で270人以上の人々に取材して書かれた、ジャーナリスティックな手法でつくられた本で、科学の書ではありません。主役のスタンリー・ポンズ、マーチン・フライシュマン両教授には一度しか取材に応じてはくれず、重ねての面会要請はすべて断られたということです。科学者たちは、大学側の名誉を得たいという想い(もちろん、それだけではなかったにしても)に個人的な功名心を誘い出されて記者会見に臨むも、一時の行動に世間の関心が予想外に集まり、戸惑ったことでしょう。一方、当のユタ大学の学長であるピーターソン自身が、記者会見の数週間前からつぎのように思っていただけに、ベールに包まれた実験は、なおさら何かとてつもないことが起きたのだと世間に信じさせるだけの魔術的オーラ効果を放っていたことはまちがいないでしょう。「燃料になる重水は海水にたっぷり含まれ、数百万年は心配ない。(中略)化石燃料に左右される世界、深刻なエネルギー問題と環境問題に悩む世界にとって無限のエネルギー源がどれほどの福音になるかを考え続けていた。酸性雨やオゾン層破壊はなくなるし、中東の石油に頼らなくてもすむ。スリーマイル島やチェルノブイリもなく、放射能廃棄物の蓄積もない。そしてもちろん、常温核融合は莫大な金を産むと見込める・・・」
 
 ポンズとフライシュマンの両教授は、学問としての信用性を傷つけないだけの研究成果を保証するには、責任がもてないと思ったことでしょう。それ以上、取材に応じて物を言うことは、かえって恥さらしになるだけでなく、科学者としての良心にも反すると気づき、自分たちのしたことを軽はずみなことだったと反省したにちがいありません。
 だから、常温核融合がスキャンダルとして扱われたのも、この本が書かれた時点では無理もないことであるといえそうです。しかし、一方で、だからといって、常温核融合を永遠に葬り去ることはなかったと思います。
 常温核融合の研究が陽の目を見ないできたと先に述べましたが、その理由には、あまりに未熟な段階で公表したことに加え、そもそも世の中には、この技術が完成して製品化されては困る勢力があるという背景を、忘れてはなりません。これは、フリーエネルギーの研究開発がいつの時代でも、妨害されてきたのと同じ事情によるものです。アメリカでそんなにも巨額の研究費が投入されてきたことは、そのへんの背景を考えると、奇妙な感じもするのですが、それ以降は1994年くらいには、この分野は「似非(えせ)科学」というレッテルを貼られ、世間の人の耳目からは封じ込められ、科学界でも異端として片隅に追いやられ、少数の研究者だけが地道な努力を重ねてきたので、まだよく調べてはいないのですが、国家予算を投じるというのも、おそらくはなくなっていったのではないかと思われます。まして、日本においては、政府が見向きもせず、マスコミも2008年5月の公開実験成功のときでさえ、ほとんどのメディアは黙殺しています。荒田先生の研究にたいし、研究費を一般募金し支えようと、独立党というWEBサイトで呼びかけ、ネット上で窓口を設けたのは、ネットジャーナリストのリチャード・コシミズ氏くらいですか。

 いずれにしても、常温核融合を応援する声よりも、常温核融合が決して実用化されないように妨害する力のほうが強大な影響力をもってきたのは、残念なことです。本来ならば人類に幸福をもたらし、地球環境やあらゆる生き物にとってもよいはずの技術が世に生まれてこようとしているかもしれないのに、信頼を損ね、希望をくじくような悪意あるキャンペーンが張られてきたのでした。そして、どうして人は夢を追い求めたり、可能性を広い心で受け入れるよりも、インチキだとかキケンだといった、ネガティブな情報にアクセスしやすく、不安や疑いにより多くのエネルギーを注ぎがちなのでしょうか。そうやって、可能性の道を自ら閉ざし、否定的な現実を信ずることによって、実際に極度に狭められた、つまらない世界を現実化してしまうのです。

 これまでにもフリーエネルギーの研究開発を阻止する目的で、それに携わる人間の命までもが脅かされるといった、まったくフェアでないもくろみが常にあったし、世の無理解という風潮もあって、途中で研究をあきらめる人もたくさんいたと思います。私の友人でもフリーエネルギー研究がしたくて、東京都に助成金を申請するための論文を書いて提出しましたが、望みがかなわず、就農することで、別の貢献の道を選びました。こういうことを考えると、常温核融合の研究がどれほど難航してきたかは、想像するに容易なのではないでしょうか。それでも、不撓不屈の精神で、可能性を信じる人々によって、日夜研究が重ねられてきたといえます。

 そして、ついに2008年には、荒田吉明先生による公開実験の画期的な大成功となります。それから、国内でも他の研究者が追試をし、海外でも何人もの研究者が再現性のある実験に成功をおさめました。日本では、荒田吉明先生のほかにも、北海道大学大学院助教の水野忠彦先生、大阪大学名誉教授の高橋亮人先生などがいらっしゃり、イタリアやアメリカと並んで世界トップクラスの研究水準なのに、国民は何も知らされず、政府も国策である原発推進政策により、予算がつきません。インドやロシア、ギリシア、スウェーデンなど、注目している国々もたくさんあるのですが、世界トップの研究者を擁する我が国は、この事実から目をそむけているのです。この差はいったいどこから来るのか、興味深いものがあります。政府ばかりではありません。せっかく公開実験を取材した記者も記事にせず、公開実験に成功した年の12にわずかに二紙が記事にしたのを除き、マスコミはことごとく黙殺してきました。鎌仲ひとみ監督が試写会でメディアの記者を招いても、こぞって無視したとご本人が笑い話にしてしまっていますが、これに似ています。電気組合連合がスポンサーについている放送局はじめメディアの対応は、国策に変更がないかぎり、いまのところこんなものみたいです。かくなるうえは、〝ネットぢから〟を発揮し、国民側から世論を形成してゆくしかないでしょう。もちろん、行き着く先は、祝島の人々が30年近く反対運動をしてきた上関原発建設問題に決着をつけ、日本の原発推進政策にピリオドを打ち、エネルギー政策の大転換への道を切り拓くところまでつないでゆかなくてはなりません。
 
 このことは何とか報せないといけないと思っていました。これがもし、日本国内で多くの人に知らされ、理解されて、国政にも反映されるようになって、エネルギー政策の大転換となれば、原発はすべて廃止できるばかりか、たくさんの恩恵にあずかります。しかし、メディアにもっていっても取り上げられてはくれないだろうと最初からあきらめていました。何かよい方法はないものか。いつもこのことが頭にありました。が、そうこうするうち、2月12日、友人から電話があり、すごいニュースを知りました。今年の1月14日、イタリアのボローニャ大学で、Rossi氏という発明家が同大学の教授の立会いのもと、常温核融合の装置のデモンストレーションに成功します。このことは私の知るかぎり、ネット以外の日本のメディアでは報道されていません。このボローニャ大学での公開実験成功のあと、インドで国際核融合学会というのが開催され、もちろん日本の研究者も出席しています。こうしたニュースは、イタリアの新聞、スウェーデンのWEBマガジン、アメリカの投資ジャーナルなどで報じられていますが、邦訳はほとんどなく、せいぜい英訳や英語記事が読める程度です。

 以下、イタリアのボローニャ大学で成功した公開実験のもようを伝えるニュースです。(この部分、4/7更新で新たに追加)

①イタリアで公開実験 Bologna大学(英語版)
“Cold Fusion getting hot with 10kw heater prepping for market”
http://pesn.com/2011/01/17/9501746_Focardi-Rossi_10_kW_cold_fusion_prepping_for_market/

②つぎのサイトには、イタリアのメディアに紹介された記事(多くが英文)、動画などがリンクされています。
「素人が知りたい常温核融合」サイト
http://amateur-lenr.blogspot.com/

 なお、国内の信頼に足るサイトとして、第1回の記事末尾に4/7付で追加更新した参考サイトを紹介しておきます。
「21世紀物理学の新しい公理の提案」 
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/index.htm

 じつは、米国の投資関係の有力紙が、この常温核融合の分野を〝21世紀最大の投資機会〟として認めています。こうした代替エネルギー分野でのビジネスチャンスを逃さなかったのは、イタリアのベンチャー企業で、たしかレオナルド社だったかと思いますが、なんと年内にも家庭用ヒーターとして、この技術を製品化する見通しになってきたというのです。それを聞いて、そんな馬鹿な、と思う人もいるようです。かえって、この分野のことをよく勉強している人のほうが楽観できないのかもしれません。この常温核融合に関して、信頼できると思われるサイトの筆者と考えられる方も、「基礎理論が確立されているとはいえず、再現性の点で難しい面もあって、各家庭で製品として使われる、商用化までの道のりは長いだろう。Rossi氏らの実験も現時点では秘密のベールに包まれている」というような見方をしているようです。

 実際、ボローニャ大学でのデモンストレーションでは、集まった人々が原子炉(reactor)の中をのぞくことは許可されませんでした。それでも、Andrea Rossi氏は、スウェーデンの媒体のインタビューに答えて、「私は理論的側面に関して非常に具体的なアイデアを持っている。だが、それらは企業秘密に密接に関係していて、私はそれを秘密にしておくことのほうをむしろ好む」と語り、Patent(特許)が付与される前には、公開しないようかなり気をつける必要があることをほのめかしたとの指摘が記事中に見えます。このときの実験は、荒田方式と異なり、触媒にパラジウムを使用せず、ニッケル1gのパウダーに水素ガスを高密度に充填する方式でした。結果として、10kWの電力が取り出されたといいます。発明者の計算では、ニッケル1g当たり石油にして517㎏に相当する利用可能なエネルギーとなるとのことですが、オブザーバーのレヴィ教授は、「両実験を通じて生みだされたたくさんのパワーとエナジーは、まったく感動的だったし、新しいタイプのエネルギー源として、実験系が作用していることを示している」と報告しています。また、レヴィ教授は、燃焼が隠れたエネルギー源によるものだということは、ありそうもないといい、水素とニッケルを用いた常温核融合の一種であると考えてもよいだろうと話しています。少々、心もとない説明に聞こえます。

 一方、発明者であるロッシ氏と顧問教授のセルジオ・フォーカディは、現在までのところ、彼らは明確なセオリーを少なくても公式には欠いていると語っています。果たしてどうなのか。まったくないわけはないはずです。不具合でガタガタしてるマシンでも少しばかりの調整をすれば、症状がしだいに改善し、不安定さは解消して、みごとに安定してくるということもあります。理論を出しすぎると、製品化したい人々によって、真似をされてしまうという懸念もあることでしょう。さまざまな応用をきかした製品が売り出されれば、商用目的からして、競合相手をつくって不利になるという不都合な事態も考えられます。そうした恐れが背景にあっての発言ではないかと考えることもできます。少なくても、使い物にならないような製品となるリスクがあったら、莫大なコストをかけてまで工場生産するところまでは踏み切れないはずですしね。現にこの発明家は「マイアミの工場で反応炉(ボローニャ大学の公開実験で用いたのとほぼ同じ)がほぼ完成している。アテネでこの発熱プラントは9月から10月には開設できる」と話しています。

                                         (つづく)
文責:粂 潤一
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